第3章 つなぐ

端子の早見|形から、使い道の見当をつける

端子の形は、使い道を知る手がかりになります。ただし、プラグが刺さることは、正しい組み合わせの証拠ではありません。形から見当をつけ、出力と入力の種類を確かめてからつなぎます。

このページでわかること

  • 主な端子の見た目と、使い道
  • TSとTRSの違いと、XLRのピンの役割
  • 「刺さる=正しい、ではない」理由

結論端子の形は手がかりにすぎません。つなぐ前に、出力側と入力側の種類を確かめます。

刺さる=正しい、ではない

端子は、形が同じでも、流れる信号の種類や大きさが違うことがあります。たとえば、同じフォーンプラグでも、楽器の信号を運ぶシールド線と、アンプの大きな信号を運ぶスピーカーケーブルがあります。プラグが刺さっても、つないでよいことにはなりません。

注意

つなぐ前に、「どの機器の、何の端子から、何の端子へ」つなぐのかを確かめます。特に、パワーアンプのスピーカー出力は、大きな信号です。ミキサーなどの入力には、つなぎません。

主な接続の組み合わせを、図で確かめます。

出力側入力側判定マイクミキサーの入力OKミキサーの出力パワーアンプの入力OKミキサーの出力パワードスピーカーOKパワーアンプのスピーカー出力パッシブスピーカーOKパワーアンプのスピーカー出力ミキサーの入力NGミキサーの出力パッシブスピーカーNGパッシブスピーカーには、間にパワーアンプが必要です。端子の形が合うかどうかとは別に確かめます。
図1 接続の組み合わせの早見。

端子の早見表

端子見た目主な使い道接続の種類
XLR(3ピン)丸い筒状で、ピンが3本(穴が3つ)マイク、ミキサーの入出力一般にバランス
フォーン(TS)6.3mmの金属の棒。絶縁リングが1本楽器、機器どうしの接続アンバランス
フォーン(TRS)6.3mmの金属の棒。絶縁リングが2本機器どうしの接続、ヘッドホン機器により異なる(バランスまたはステレオ)
3.5mmミニイヤホンと同じ大きさの、細い金属の棒パソコンやスマートフォンの出力アンバランス(ステレオ)
RCA中心に細いピン、周りに金属の輪。赤と白で色分けされることが多いAV機器、CDプレーヤーの出力アンバランス
スピコン丸いケースで、ひねって固定するパワーアンプとスピーカーの接続スピーカー用(大きな信号)
ネジ式の端子・バナナプラグ赤と黒のネジ式の端子、またはバナナプラグアンプやスピーカーの背面スピーカー用(大きな信号)

バランスとアンバランスの違いは、バランス接続とアンバランス接続の違いで説明しています。

XLR

XLRは、マイクの接続で最もよく使われる端子です。3本のピンは、一般に、1番がグランド(シールド)、2番がホット(+)、3番がコールド(−)の信号です。信号の線が2本あるので、バランス接続になります。

XLRには、ピンのあるオスと、穴のあるメスがあります。ケーブルの両端は、つなぐ機器の端子に合わせた、オスとメスになっています。

ニッケル色のシェルのXLRコネクタ。左のメスは青いインサートに3つの穴とラッチがあり、右のオスは3本のピンが三角形に並んでいる
写真1 XLRのメス(左)とオス(右)。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。
XLR(3ピン)を正面から見た模式図231321オス(ピンが出ている)メス(穴が空いている)1グランド(シールド)2ホット(+)3コールド(−)ピンの並びは模式図です。実際の番号は、端子の表示で確認します。
図2 XLRのオスとメス、3つのピンの役割。

フォーンプラグ(TSとTRS)

フォーンプラグは、6.3mmの太さの金属の棒の形をした端子です。金属部を区切る絶縁リングの本数で、TSかTRSかがわかります。

金メッキの先端と2本の絶縁リングを持つ、黒い金属の胴のTRSフォーンプラグ。ケーブルが手前から奥へ曲がって伸びている
写真2 TRSフォーンプラグ(6.3mm)の2本のケーブル。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。

TSとTRSを並べると、絶縁リングの本数の違いがよくわかります。

フォーンプラグを2本並べた画像。手前のTSプラグは先端の金属部のあとに絶縁リングが1本、奥のTRSプラグは絶縁リングが2本ある
写真3 TSプラグ(手前)とTRSプラグ(奥)の比較。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。
TS(リング1本・2つに分かれる)胴体(S)先端(T)TRS(リング2本・3つに分かれる)胴体(S)リング(R)先端(T)
図3 フォーンプラグの見分け。絶縁リングの本数で、TSかTRSかがわかります。

TSは、先端(T)と胴体(S)の2つの接点を持ち、アンバランスの信号を運びます。TRSは、先端(T)、リング(R)、胴体(S)の3つの接点を持ちます。TRSは、バランス接続に使われることも、ステレオ(左右)の信号に使われることもあるため、機器の使い方を確認してください。

TRSの3つの接点が何を運ぶかは、機器の使い方で決まります。バランス接続では先端がホット、リングがコールドです。ステレオでは先端が左、リングが右です。

バランス接続に使うときSRTT(先端): ホット(+)R(リング): コールド(−)S(胴体): シールド(グランド)ステレオ(左右)に使うときSRTT(先端): 左の信号R(リング): 右の信号S(胴体): グランドどちらも見た目は同じで、プラグだけでは判別できません。機器の表示で確認します。
図4 TRSプラグの2つの使われ方。

ミキサーの入力には、XLRとフォーンの両方を差せる「コンボジャック」が使われることがあります。

3.5mmとRCA

3.5mmのミニプラグは、パソコン、スマートフォン、イヤホンなどで使われます。ステレオのものは、先端、リング、胴体の3つの接点で、左と右の信号とグランドを運びます。バランス接続ではありません。

黒い成形ブーツの3.5mmステレオミニプラグと、赤と白の成形ブーツのRCAプラグ。どれも金メッキの端子で、RCAは中心のピンと周りの輪を持つ
写真4 3.5mmステレオミニプラグ(左)とRCAプラグの赤・白。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。
ステレオ(リング2本)SRTT(先端): 左の信号R(リング): 右の信号S(胴体): グランドモノラル(リング1本)STT(先端): 信号S(胴体): グランドリングの数で見分けます。どちらもバランス接続ではありません。
図5 3.5mmミニプラグのステレオとモノラル。

RCAは、AV機器やCDプレーヤーなどで使われる、ピン形の端子です。アンバランスの信号を運び、左右の信号を、赤と白のケーブルに分けることが多いです。ミキサーにつなぐときは、RCAからフォーンなどへの変換ケーブルを使うことがあります。

中心のピン信号を運ぶ外側の輪グランドにつながる色分けの目安白赤黄左の音声右の音声映像用が多い色の意味は、機器の表示に従います。
図6 RCA端子の構造と色分け。

スピーカー用の端子

パワーアンプとパッシブスピーカーの間は、スピーカー用の端子を使います。代表的なものが、ひねって固定するスピコンと、ネジ式の端子やバナナプラグです。どちらも、スピーカーケーブルをつなぐためのものです。

濃い青と水色の成形ボディに金属のラッチを持つ、2極のスピーカーコネクタの2本のケーブル。前面の穴に2つの接点が見える
写真5 ひねって固定する2極のスピーカーコネクタ(スピコン形)のケーブル。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。
赤と黒の六角形のつまみを持つ、バインディングポスト。つまみ前面の金メッキの穴と、背面に出た金メッキのネジ棒が見える
写真6 赤と黒のバインディングポスト。CGによる模式的な画像です。実物の形状・色は製品により異なります。
スピコン丸いケースで、差し込んだあとにひねって固定します。ネジ式の端子(バインディングポスト)+−赤(+)黒(−)ペアになった端子ネジを締めて導線を固定します。バナナプラグを差せるものもありますどちらも大きな信号用です。ミキサーの入力にはつなぎません。
図7 スピーカー用の端子。

ここでは、大きな信号が流れます。マイクや楽器用の細いシールド線をつないではいけません。また、これらの端子をミキサーの入力につなぐこともしません。

迷ったとき

見た目から端子を調べたり、つなぎたい組み合わせが合っているかを確かめたりするには、端子・ケーブル判別ツールが使えます。わからないまま差し込まず、取扱説明書で確認してください。

要確認

端子の使われ方は、機種により異なります。特に、TRSの扱いと、変換ケーブルの要不要は、取扱説明書を優先してください。