第2章 機材

スピーカー|役割・見分け方・電源の入れ方

スピーカーは、電気の信号を音に変えて会場に届ける機器です。電源ケーブルがあればパワードスピーカーで、なければパッシブスピーカー、というのが基本の見分け方です。電源は、いちばん最後に入れます。

このページでわかること

  • スピーカーの役割と、2つの種類の見分け方
  • 電源の入れ方と切り方、順番の理由
  • 置き方の基本と、してはいけないこと

結論パッシブかパワードかで、つなぐ相手と電源の扱いが変わります。電源は音源とミキサーのあとに入れ、切るときは最初に切ります。

スピーカーの役割

スピーカーは、電気の信号を空気の振動、つまり音に変えて、会場に届ける機器です。信号の流れでは、いちばん最後(下流)にあたります。ここまでの機材が整っていても、スピーカーの置き方や向きが悪いと、聞き取りにくい音になります。

アンプを内蔵しないパッシブスピーカーと、内蔵するパワードスピーカーの2種類があり、つなぐ相手が違います。

パッシブスピーカーパワーアンプスピーカーケーブルパッシブスピーカースピーカー自体に電源はありませんパワードスピーカーミキサー信号ケーブルパワードスピーカー(アンプ内蔵)電源ケーブルコンセントつなぐ相手と、電源の要不要が違います。
図1 パッシブスピーカーとパワードスピーカーのつなぎ方

見分け方

次の点を見ると、多くの場合は区別できます。

見るところパッシブパワード
電源ケーブル・電源スイッチないある
端子スピーカー用(スピコン、ネジ式の端子など)マイクやライン用の入力(XLR、フォーンなど)
つまみないことが多い音量のつまみなどがあることが多い
つなぐ相手パワーアンプの出力ミキサーなどの出力

背面を模式図にすると、次のような違いがあります。

パッシブスピーカーの背面(例)スピーカー端子スピコンやネジ式など電源ケーブルはありませんパワードスピーカーの背面(例)入力端子XLRなど音量つまみ電源ケーブル電源スイッチ端子の種類や配置は、機種により異なります。
図2 パッシブとパワードの背面の違い(例)。

大きさや色、重さでは見分けられません。どちらか判断できないときは、機器の表示や取扱説明書で確認し、わからないまま電源やケーブルをつながないでください。

電源の入れ方と切り方

パッシブスピーカーには電源がありません。鳴るかどうかは、つないだパワーアンプの電源と音量で決まります。パワードスピーカーは、次の順番で扱います。

  1. 音量のつまみを、最小にします。
  2. 音源とミキサーの電源を入れます。別にパワーアンプを使う場合は、そのあとに入れます。
  3. 最後に、パワードスピーカーの電源を入れます。
  4. 音は、少しずつ上げます。

切るときは、入れる順番の逆です。音量を下げ、まずスピーカーを切り、次にアンプ、ミキサー、音源の順に切ります。

入れる順切る順1 音源2 ミキサー3 パワーアンプ4 スピーカー(アンプ内蔵)1 スピーカー(アンプ内蔵)2 パワーアンプ3 ミキサー4 音源音量は最小にしてから入れます。パッシブスピーカーの構成では、パワーアンプが最後(切るときは最初)です。
図3 電源を入れる順と切る順。

順番に意味があるのは、機器が電源を入れる、または切る瞬間に雑音を出すことがあるからです。スピーカーを先に入れておくと、その雑音が大きな音になって出てしまい、スピーカーを傷める原因にもなります。順番を並べて確かめるには、電源の順番シミュレーターを使えます。

置き方の基本

  • マイクを使う位置より客席側に置き、マイクがスピーカーの正面に向かないようにします。音がマイクに戻ると、ハウリングが起きやすくなります。
  • 倒れにくい、安定した台や場所に置きます。重いスピーカーは、無理をせず、2人で運びます。
  • 床に置くより、少し高い位置に置くほうが、後ろの席まで音が届きやすいことが多いです。
  • ケーブルが通路を横切らないようにします。横切るときは、テープで固定します。

スピーカーとマイクの位置関係を、上から見た図で比べます。スピーカーがマイクの後ろにあると、音がマイクに入りやすくなります。マイクより客席側に置くと、音はマイクから離れる向きに出ます。

起きやすい: スピーカーがマイクの後ろ客席側ステージ側スピーカー音がマイクに入るマイク起きにくい: スピーカーがマイクより客席側客席側ステージ側マイクスピーカー音はマイクから離れる向き機種や会場により、最適な位置は変わります。
図4 スピーカーとマイクの位置関係(上から見た図)。

ハウリングの仕組みと対策は、複数マイクとハウリングの対策で説明しています。

してはいけないこと

禁止

  • パワーアンプのスピーカー出力を、ミキサーなどの入力端子につながない。
  • スピーカーケーブルを、マイクや楽器の接続用のケーブル代わりにしない。反対に、マイクや楽器用のシールド線を、アンプとスピーカーの間に使わない。
  • ミキサーの出力を、パッシブスピーカーに直接つながない。パッシブスピーカーには、パワーアンプが必要です。鳴らせないだけでなく、ミキサーの出力に負担がかかり、機器を傷める恐れがあります。
  • 電源が入ったまま、スピーカーケーブルを抜き差ししない。
  • 音を出している最中のスピーカーの、振動する部分に触れたり、押したりしない。
  • 音量を、急に上げない。

機種による違い

要確認

機種により異なります。実際の端子の配置や表示、操作は、お使いの機器の取扱説明書を優先してください。